【note掲載】アルミパッケージで、半導体市場を切り拓く。 私が目指す、記憶に残る営業のカタチ

クルーの航海日誌 Vol.2

語り手:山口 優佳(国内営業 / パッケージプロダクツ担当)
聞き手:インタビュアー

アルミパッケージで、半導体市場を切り拓く。私が目指す、記憶に残る営業のカタチ

■富山の地場産業である薬売りを支える仕事

インタビュアー: 山口さん、本日はよろしくお願いします。
山口さんは国内営業を担当されているとのことですが、結構色々なところに飛び回られてますよね?

山口: よろしくお願いします!
そうですね……ありがたいことに色々な場所に飛び回りながらお仕事をさせてもらっています。画像

インタビュアー: 普段どんなお仕事をされているのか教えてください。

山口: はい。私は主に、製薬メーカー様向けに、医薬品パッケージの提案営業をしています。
皆さんが病院でもらう薬や、ドラッグストアで買う錠剤が入っているシートありますよね? プチッと指で押して出すやつです。
あれやあれの包装等に使われている「PTPアルミ箔」という材料を扱っています。画像インタビュアー: なるほど。私たちの生活に身近な、まさに「富山の薬売り」を支えるお仕事ですね。

山口: そうです。富山は「薬の都」ですから、地場産業に深く根ざした仕事です。
一見すると、すごく安定していて、変わらない仕事に見えるかもしれません。実際、医薬品業界は景気に左右されにくいですし、需要がなくなることもありませんから。

でも、私自身は今、その「安定」にあぐらをかいていてはいけないという危機感を強く持っているんです。
だからこそ、本来のメイン担当である医薬品とは別に、今一番熱量を注いでいる分野があります。

インタビュアー: それは何でしょうか?

山口: 半導体・電子部品です。


「薬を守る技術」を「シリコンを守る技術」へ

インタビュアー: 医薬品から半導体へ。
ずいぶん距離があるように感じますが、なぜそこに目をつけたのですか?

山口: きっかけは、医薬品パッケージで培ったアルミの知識でした。
薬というのは、湿気や酸素、光に非常に弱いんです。
だからこそ、バリア性の高いアルミ箔で守る必要があります。

ある時、ふと気づいたんです。
「あれ? 今話題の半導体やシリコンウェハも、確か湿気や酸素を嫌うよな?」って。

調べてみると、半導体部品も海外への輸送時などは、湿気や紫外線(UV)を完全に遮断する必要があります。
そのために使われるのが、実は私たちが得意とする「アルミ製の防湿袋」だったんです。

インタビュアー: なるほど! 「守るべきもの」が薬からシリコンに変わっただけで、技術の根幹は同じだったんですね。

山口: そうなんです。医薬品業界は安定していますが、市場としてはすでに成熟しています。
一方で、半導体業界はこれからますます伸びていく成長分野です。
北海道ではラピダスさんの工場建設が進んでいたり、日本中で工場新設のニュースが飛び交っていますよね。

「成熟産業でシェアを守るだけじゃ面白くない。成長産業の波に、アルミという武器を持って乗り込みたい」
そう思って、会社の方針として、この分野に舵を切りました。


■大手が嫌がる「隙間」こそが、商社の勝機

インタビュアー: とはいえ、半導体業界にはすでに多くのライバル企業がいると思います。後発のホクセイがどうやって戦うのでしょうか?

山口: そこはもう、商社ならではの戦い方ですね。
メーカーさんは、基本的に大量生産・大量販売を好みます。
「アルミ袋を1万枚単位で買ってください」というのが普通です。

でも、半導体の開発現場や、大学の研究室、あるいはスタートアップ企業では、「試作のために1箱(数百枚)だけ欲しい」というニーズが山ほどあるんです。

インタビュアー: 大手に頼むと「そんな小口は対応できません」と断られてしまうわけですね。

山口: そうです。だからこそ、私たちが在庫リスクを背負うんです。
メーカーから大量に仕入れて、自社の倉庫に在庫を持ち、そこから「300mmウェハー用の袋を1箱から」即納できる体制を整えました。

「小ロットでもいいの?」「すぐ届くの? 助かる!」

そんなお客様の声を拾い集め、そこに対してしっかりと応えていく。
ニッチで面倒くさいこと。
大手がやりたがらない隙間にこそ、私たちのような中規模商社の勝機があると思っています。


■商品が同じなら、何で選ぶ?答えは「人間性」と「安心感」

インタビュアー: 在庫を持って小口に対応する、というのは確かに強力な戦略です。ただ、扱っている「アルミ袋」そのものは、なかなか差別化が難しい商品ですよね?
商品スペックで差がつかない場合、最終的にお客さんは何でホクセイを選ぶのでしょうか。

山口: そこはもう、明確な答えがあります。「人間性」ですね。

インタビュアー: 人間性、ですか。

山口: はい。今の時代、見積もり依頼なんてメール一本で済みますし、AIが自動返信することだってできます。
でも、お客様が本当に求めているのは「安心感」なんですよね。

例えば、難しい見積もり依頼が来た時。回答を作るのに3日かかるとします。AIや普通の営業なら、3日後に「回答です」とメールを送るかもしれません。
でも私は、メールを受信した瞬間に「受け付けました! 確認して〇日までに回答します!」って、まずは1次返信を入れます。

インタビュアー: 「ボールは私が持っていますよ」と伝えるわけですね。

山口: そうです。これは社長の冨田からの教えでもあるんですが、このワンクッションがあるだけで、相手のストレスは全然違うんです。
「あ、山口さんが動いてくれてるな」と思わせること。
これが信頼の第一歩です。

インタビュアー: なるほど。では「人間性」というのは具体的にどういうことでしょう?

山口: 私はよく「用事がなくても顔を出す」ようにしています。
営業って、普通は新商品が出た時かトラブルが起きた時、あるいは売上が落ちた時など何か用事がある時に行きますよね?
私は逆なんです。
売上が良くても、特に問題がない時でも、会いに行きます。

インタビュアー: えっ、用事がないのにですか?

山口: はい。もちろん、ただ売り込みに行くわけじゃありません。
現場に行って、担当者さんの顔を見て、「最近どうですか?」って話をする。そうすると、電話やメールでは出てこないちょっとした心配事小さな不安がポロッと出てくることがあるんです。

「実は今のライン、ちょっと歩留まりが悪くてね…」とか「来月から新しい企画が始まるかもしれないんだけど…」とか。
そういう「まだ課題になっていない違和感」をいち早く察知できるのは、やっぱり膝を突き合わせて話している時だけなんです。

インタビュアー: なるほど。トラブルが起きてから行くのではなく、その予兆を拾いに行っているわけですね。

山口: そうです。そうやって先回りして動くことで、「あ、山口さんはまた何か気づいてくれたな」と思ってもらえる。
最終的には、お客様にとって「記憶に残る営業」になりたいんです。
何か困ったことがあった時、一番最初に顔が浮かぶ人。
「とりあえず山口さんに聞いてみようか」と言ってもらえる存在でありたいですね。

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そうやって信頼を積み重ねておくと、競合他社が安い見積もりを持って営業に来ても、「いや、うちは山口さんがよくやってくれてるから、変えるつもりないよ」となってくださるかもしれない。
そこまで見据えて日々応対をしているわけではないですが、そう思ってもらえるような営業でいたいなと思い、日々仕事に向き合っています。

インタビュアー: それが記憶に残る営業になるんですね。AIには空気を感じる訪問はできませんからね。

山口: そうなんです。実は私、もともとすごく人見知りで、コミュニケーションにコンプレックスがあったんです。
だからこそ、口の上手さではなく、足を使って相手の懐に入り込み、誠実に向き合うことでしか勝負できないと腹をくくりました。

「フットワークを軽く」
これが私の営業スタイルです。


■商社の醍醐味は、AとBをくっつけ、新しい価値を創り出すこと

インタビュアー: 自社製品を売るだけでなく、ホクセイらしいユニークな動きもされていると聞きました。

山口: そうですね。商社の仕事って、単にメーカーの製品を右から左へ流すだけじゃないんです。
「世の中にあるAとBを組み合わせて、新しいCという価値を作る」
これが一番の醍醐味だと思っています。

例えば、私のもう一つの顔として、スポーツを通じた地域振興にも関わっています。

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インタビュアー: スポーツですか? アルミとは全く関係なさそうですが。

山口: 私がバレーボールをやっていたこともあって、スポーツが好きなんです。 以前、富山県にハンドボールチーム「富山ドリームス」が発足した時、何か応援できないかと考えました。
そこでふと、「あ、ホクセイのもう一つの拠点である沖縄も、ハンドボールが盛んだな」と気づいたんです。

インタビュアー: 富山と沖縄。ここでも「現代の北前船」の航路が繋がるんですね。

山口: はい。そこで、沖縄を拠点とするJTA(日本トランスオーシャン航空)さんと連携して、富山のチームが沖縄へ遠征する際の応援ツアーを企画したのですが、そこで弊社もサポートをささせていただきました。
さらに、そのツアーの特典として、沖縄の特産品である弊社クライアントの島ぞうりを採用して、参加者に履いていただけるようにしたんです。

インタビュアー: 富山のハンドボール、沖縄の航空会社、沖縄の特産品。バラバラだったものが一つになりましたね。

山口: そうなんです。「アルミを売る」という枠に囚われていたら、こんな発想は出てきません。
「富山と沖縄を繋いだら面白いんじゃないか?」
「スポーツと物産を掛け合わせたら新しい商流ができるんじゃないか?」

そうやって自由に絵を描いて、周りを巻き込んで形にしていく。
これができるのは、自由な商社であるホクセイだからこそだと思います。


■商社だからこそできる「価値の翻訳」で、社会を良くしたい

インタビュアー: スポーツと地域振興、面白いですね。ビジネスの現場でも、そういった「意外な組み合わせ」が生まれることはあるのでしょうか?

山口: ありますね。最近だと、「医薬品業界」と「工業部材業界」のマッチングに手応えを感じています。

医薬品のパッケージって、髪の毛一本の混入も許されないような、ものすごく厳しい品質管理の世界なんです。私たちにとってはそれが「当たり前」なのですが、一歩外に出て工業用のトレー(部品を入れる容器)などの世界を見ると、そこまでの基準は求められていないことが多いんです。

インタビュアー: 業界によって「品質」の常識が違うわけですね。

山口: そうです。でも、工業界でも「本当はもっと高品質なものが欲しいけれど、どこに頼めばいいかわからない」と困っているお客様がいるんです。 そこに、私たちが医薬品業界で培ったネットワークやノウハウを繋ぎ合わせることで、「こんなに素晴らしいものができるのか!」という感動を生むことができます。

インタビュアー: なるほど。

山口: 単にモノを売るだけならメーカーさんでもできます。 でも、業界や常識の壁を飛び越えて、「ここの価値」を「あそこの課題解決」に使うという発想は、しがらみのない商社だからこそできることだと思うんです。

AとBをくっつけて、世の中をもっと便利にしたり、誰かの悩みを解決したりする。 そうやって新しい価値を生み出し、少しでも社会を良くしていくお手伝いができること。それが、私がこの仕事をしていて一番ワクワクする瞬間ですね。


■「高くでも、山口さんから買いたい」と言われる存在へ

インタビュアー: 素晴らしい視点です。最後に、山口さんのこれからの目標を教えてください。

山口: 数字的な目標としては、やはり今種を蒔いている半導体・電子部品の分野を、医薬品と並ぶ会社の柱に育て上げることです。
Webサイトからの問い合わせも増えているので、ここを足がかりに新しい市場を切り拓いていきたいですね。

そして、営業個人としての究極の目標は、お客様に「高くても、山口さんから買いたい」と言っていただける存在になることです。

インタビュアー: 価格競争からの脱却ですね。

山口: はい。商社はどうしても「中抜き」と言われがちで、ネットで探せばもっと安いところはあるかもしれません。
でも、私は単なるモノの提供ではなく、お客様の「痒い所に手が届くサービス」を提供し続けたいんです。

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インタビュアー: 「痒い所に手が届く」とは、具体的には?

山口: 大企業では出来ないような小回りの効いたサービスなどです。
先ほど伝えたような、本来小ロットでは提供難しい部分を、自社がリスクを取って小ロットで提供する。そうしたことや、お客様自身も言語化できていない潜在的なニーズや小さな違和感を先回りして拾い上げ、「これ、必要じゃないですか?」と差し出す。
あるいは、面倒な調整業務を「私がやっておきますよ」と引き受ける。

そうした心地よい小回りの効いた対応を徹底することで、「山口さんはわかってくれている」「山口さんに任せれば安心だ」という絶対的な信頼を築きたいんです。

インタビュアー: それが、価格以上の価値になるわけですね。

山口: そうです。それこそが記憶に残る営業につながると思っています。
何かあった時に一番に頼られる、替えのきかないパートナーであり続けること。
それが私の目指す商社パーソンの形です。


■色々なことに挑戦できる

インタビュアー: 最後に、この記事を読んでいる方、特に営業職に興味がある方へメッセージをお願いします。

山口: ホクセイは「現代の北前船」として世界中を飛び回っていますが、冒険の舞台は海外だけではありません。
私のように、見慣れたアルミという素材の中にも、視点を変えれば半導体という新しい業界が広がっています。

「営業は話上手じゃないとできない」と思っている方がいたら、「そんなことないよ」と伝えたいです。
人見知りでコンプレックスの塊だった私でも、足を使い、誠実に汗をかくことで、こうして最前線で戦えています。

そんな私と一緒に、泥臭く、でも戦略的に。新しい市場を駆け回ってくれる仲間を待っています!

インタビュアー: 山口さん、ありがとうございました!