ホクセイプロダクツでは、長年に渡り医薬品パッケージであるPTPシートやピロー包装の材料となるアルミ箔を医療メーカーに提供させて頂いております。
最近では医薬品パッケージに限らず様々な包装材で、品質を向上させながらも環境に配慮したものを使用する動きが強まっております。
この記事では、包装材のSDGsに対する取り組みについてご紹介させていただきます。
シートの高機能化
1996年以前のPTPシートは、縦と横にミシン目が入っていて、1錠ずつ簡単に切り離せる構造になっていたのをご存知でしょうか?
私たちが普段何気なく使っているPTPシートですが、実は以前はとても事故が多かったのです。
1錠単位に切り離したPTPシートから錠剤を出すことなくそのままPTPシートごと誤飲してしまう事故が後を絶たなかったため、今は1錠単位で切り離さないタイプとなっております。
さらに言うと、例えば食後服用のお薬を飲んだかまだ飲んでいないのかわからなくなってしまうというケースもあるため、最近では1回に飲むお薬を一つの包装にまとめた上で、包装材に日付や飲むタイミングが印字されてるケースもあります。
一包化することで、指でPTPシートからお薬を押し出す力が弱い高齢者の課題解決にも繋がっています。
このようにPTPシートは、お薬の品質を保つための工夫はもちろんのことですが、利用者により安心・安全に使っていただくために、日々進化を遂げている分野です。
包装材の環境配慮への動き
冒頭にも述べたように、SDGsの流れもあって包装材を“環境に配慮したものにしたい”と考える企業が増えました。
具体的な例を挙げると、石油由来のシーラントフィルムをサトウキビ由来の原料を使用したシーラントフィルムに替えることで、CO2排出量の削減に貢献することができます。
また、ポリプロピレン系やポリエチレン系、ポリエステル系の“単一素材フィルム”を使用したり、容器と貼り付けるラベルの素材を同一にする“単一素材ラベル”にすることで、リサイクルが可能となります。
このように、包装材の材料選びを“安い”とか“早い”だけではなく、持続可能な環境へ配慮したものへと替えることにより、SDGsを推進する企業としてイメージアップにも繋がると言えます。
世界トップシェアの透明蒸着フィルム
ここで少し専門的なお話をさせていただきます。
皆さん、バリアフィルムをご存知でしょうか?
バリアフィルムは、水蒸気、酸素などガス透過を防ぐ機能を備え、製品や機能が変質、劣化を防ぐための機能を持ったフィルムになります。
そこに「蒸着」という技術が使われております。
「蒸着」という言葉をあまり耳にしたことのない方も多いかと思いますが、蒸着とは物質を蒸発させ、薄い膜を付着させる手法のことを言います。
これらの蒸着フィルムの中には透明なものもあり、PTPシートの外装材や分包フィルム、目薬の外装材にも使用されております。
その技術力の高さから、世界でもトップシェアを獲得しています。
選ばれてる主な理由は下記の通りです。
①保存性:世界最高水準の優れたバリア性・保香性を有する。各種バリアフィルムに比べ、ガスバリア性の温度及び依存性が小さく、年間を通じ安定したバリア性を発揮する。
②透明性:優れた透明性を有しており、中身・内容物を見せることができる。
③安全性:アルミ箔・アルミ蒸着フィルムと異なり金属検知器が有効に使える。
④利便性:包材ごと電子レンジ加熱が可能である。
⑤加工適性:PET・ONYフィルムなどと同等の印刷・ラミネート加工適性を有する。
⑥環境適性:燃焼時、塩素ガスが発生せず、アルミ箔と異なり焼却残渣がほとんど発生しない。
このように、高機能なだけではなく環境にも配慮されたものであることが選ばれる理由となっております。
御質問などございましたら、当社までお気軽にお問い合わせ下さい。