ホクセイプロダクツは、長年に渡り医薬品パッケージをメーカー様に供給させていただいております。
前回のブログから3回に分けて、環境に配慮した医薬品パッケージの事例についてご紹介させていただいております。
前回の記事
>>環境に配慮した医薬品パッケージ①「バイオマスフィルム」の事例
今回は、世界最高水準のバリア性を持つ透明ハイバリアフィルムについてご紹介させていただきます。
具体的な商品名は記載しておりませんので、気になる方はお気軽に当社までお問い合わせ下さい。
ハイバリアフィルムとは
バリアフィルムは、水蒸気、酸素などガス透過を防ぐ機能を備え、製品や機能が変質、劣化を防ぐための機能を持ったフィルムになります。
詳しくは、以前のブログでもご紹介させていただきましたので、ご参照ください。
従来、蒸着フィルムは後加工や輸送によりクラック等が発生するため、バリア性が安定しない問題がありました。
しかし、蒸着層とバリアコート層の2層構造により、世界最高水準のバリア性と安定した品質を実現しております。
ハイバリアフィルムの種類
PET系
①ハイバリアグレード
ハイバリアグレードは包装用バリアフィルムとしては世界最高水準のバリア性を備えたトップグレードです。
アルミ箔代替グレードとして、アルミ箔にはない透明性、低熱伝導性、絶縁性等の特長を生かし、医療医薬品分野を中心に採用を伸ばしております。
②一般用グレード
一般用グレードは、透明性・印刷・加工適性に優れ、かつ安定したバリア性を保持しており、食品・医療医薬品等の幅広い分野で使用できる汎用タイプでです。
③レトルト・液体用グレード
レトルト・液体用グレードは、透明レトルト包材で長年にわたり様々な製品ブランドで採用され、日本のみならず、欧米、アジアなど世界ブランドとして認知されております。
ナイロン系
ナイロン系は高い酸素バリアを示し、内容物の酸化劣化を抑え、高い保存性を発揮します。耐ピンホール性と酸素バリア性が要求される輸液外装分野でも採用されております。
メカニカルリサイクルPET系
メカニカルリサイクルPETは再生樹脂を80%使用し、一般PETフィルムに比べ、CO2排出量を約24%削減したフィルムであり、環境ニーズの高まりに対応するため、新たに開発されました。
新たに開発されたメカニカルリサイクルPET
CO2排出量削減をはじめとした地球温暖化対策や生物多様性保全、環境負荷低減など、環境問題への関心が高まっている現在、リサイクル資源の活用が重要視されております。
持続可能な社会の実現に向けて、メカニカルリサイクルPET(※)フィルムを用いたラミネート包材は、トイレタリー業界や食品・医薬品業界に向けて提供されてきました。
※メカニカルリサイクルPETとは、使用済みPETボトルを粉砕・洗浄した後に高温で溶融・減圧・ろ過などを行い、再びPET樹脂に戻したものです。
そんな中で、メカニカルリサイクルPETフィルムを使用しながら、従来の石油由来品と同等のバリア性能を実現した透明バリアフィルムが開発されました。
メカニカルリサイクルPETフィルムを用いることで、従来に比べ、製造段階でのCO2排出量を約17%削減することができます。
さらに、メカニカルリサイクルPETフィルムを用いることで、石油由来資源の使用を削減でき、持続可能な社会の実現に貢献することができます。
まとめ
パッケージの分野は、その時代のニーズに合わせて研究開発され、新化を遂げている分野です。
過去を見てみると、蒸着技術やコーティング技術を耐熱性、酸素・水蒸気バリア性を通してパッケージとして使用される製品の品質担保に使うケースが多くありました。
しかし、SDGsなどが掲げられた昨今では、その技術が持続可能な社会を作るために使われるケースも多く、環境を考慮するという意味でも日々進化を遂げております。
医薬品パッケージ等につきましては、お気軽に当社までお問い合わせ下さい。